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第7曲 爆裂ロリータ 
2010 / 06 / 15 ( Tue )  22:39








「歩、郵便が届いているぞ」
「ああ、ありがとう」
「ねえ歩。これ何?」
「今度、軽音部が参加する『秋祭り前夜祭』のライブ登録書だ」

 歩は封筒を開け、事前の審査が通った旨が記載された文書を眺めた。
 

 ――――結果は合格。


「良し。合格だ。これで軽音部は2週間後のライブに参加できるな」
「そう・・・・・・ねえ、私も行って良い?」
「それなら私も―――」
「姉貴は良いが、兄貴はダメだ。来るな」

 ガーンとショックを受ける清隆を無視する歩。
 まどかは嬉々として前夜祭ライブのパンフレットを眺めた。











「という訳で、3日後に打ち合わせがあって、ライブ本番は2週間後の土曜日、当日の3時間前からリハーサルがあるから」
「「「「「おお~~~~!!」」」」」

 歩の言葉に、一同の歓声が響いた。
 初ライブというだけに、興奮も最高潮といったところか。

「りっちゃん! ライブだよ、ライブ!」
「フッフッフ。ついに私達の時代が来たかぁ!」

 鼻息を荒くする唯と律。

「人がいっぱい来る・・・・・・・・・・・・ううっ!」
「がんばろう、澪ちゃん」
「澪先輩!」

 顔を青くしてフラッとする澪と、それを支える紬と梓。
 なんとも対極的な反応であった。

「ま、こういうのは慣れだ」

 軽~く言う歩を澪はジト目で見詰めるが彼は無反応だ。
 すると、律は思い出したようにポンっと手を叩いた。

「そういえば中学の同級生で、同じようにバンド活動してたな・・・・・・」
「マキちゃんのこと?」
「参加メンバーの中にいるかもしれないぞぉ!」

 どうやら知り合いがバンドを組んでるらしく、律と澪は参加者リストを見る。
 当然だが、まだリストは無かった。

「とりあえずは3日後の打ち合わせに行くが、本番まで俺が全部準備をしておく。もちろん経過や必要なことは全部皆に報告しよう。どうだ?」

 資料をサッサッと直して、必要事項を記入していく歩をみて、皆は口をそろえて言った。

「「「「「た、頼もしい」」」」」

 過去に部活申請漏れやら、学園祭参加申請漏れだのと、真鍋和に迷惑をかけ続けた一同は、歩の有能な補佐に感動した。

 








 紬は、歩に対して何度か話しかけようとしたが、タイミングを逸してプライベートな会話をすることが出来ずに練習が終わってしまい、ウキウキしながら帰る一同の中で微妙に挙動不振な紬がいる中、都内の某病院内にて、ある会話が行われていた。

 病院に現在入院しているのは、ブレードチルドレンのメンバー。
 その中でも『最も頭がキレる』といわれ、『爆発物のエキスパート』『爆炎の妖精』と称される人物。
 竹内理緒。
 その少女である。

「そう・・・・・・ですか」

 彼女は全てを聞かされた。
 これまであった、ブレードチルドレンのこと。カノン・ヒルベルトの死亡。ミズシロ・火澄の存在、そしてその意味。鳴海歩と火澄の対立。鳴海歩が清隆の思惑を打破し勝利したこと。

 そして―――――鳴海歩の近い将来の死亡と、ブレードチルドレンの果てしない戦いの人生。

「で、あんた達はどうする?」
「・・・・・・・・・・・・」

 ブレードチルドレンとの橋渡し役・土屋キリエ。
 鳴海歩から事件の顛末後から全ての情報を託され、以後はブレードチルドレンたちの面倒を見たり相談に乗ったりなど、いろいろと忙しい身の女性である。性格は微妙にまどかに似通っているところもあり、某美少女によれば『歩といちゃついた』過去をもつ。

 理緒は祈るように両手を重ね、ジッと目を瞑って黙っていた。

(弟さん・・・・・・まさか、そんなことになっていたなんて)

 思えば、自分は鳴海歩という1人の男の子に対して、ずいぶんと酷い事を言っていた。
 カノン・ヒルベルトとの戦い前は命を狙ったので言わずもがな、その後も散々『貴方は私達の希望の光だ』と言い続け、その重荷を押し付けた。

 結果からいえば、自分達ブレードチルドレンよりも早くに破滅し、自分達よりも早くに死亡する身であったのだ。

「・・・・・・何、泣いてるのよ」

 キリエが苛立ったように声を上げた。
 彼女は最後まで歩の戦いを見届けた1人だ。その経過、つまり歩がまさに自分の全人格・出生すら否定してボロボロになってまで戦い抜いたその姿を、キリエはその綺麗な瞳で見てきた。

 理緒の瞳から零れ落ちた涙に、キリエは無性に腹が立ったのだ。
 それは『どっち』への哀れみか、怒りだったのか。

「・・・・・・弟さん、いえ」

 理緒は常に歩のことを『弟さん』と言ってきた。だが。

「歩さんに、会いに行きます」

 理緒の言葉に、キリエは目を細める。
 会いに行ってどうするのか、一言二言の感謝でも述べるつもりか、そういう目であった。

 そんなキリエの無言の反対に、理緒は首を振った。

「歩さんと、同じ学校に行きたいんです」
「桜ヶ丘高校に?」
「はい」

 理緒は小さな身体をベッドから起こし、よいしょ、と声を出して地面に降り立った。

「あの人と一緒にいて、少しでも傍にいたいんです。そして私なりの―――」

 答えを見つけたい。
 そう理緒は振り返って笑って云った。






 理緒という女性の特徴を端的に挙げれば、最高の知能・身体能力を誇るブレードチルドレンの中で一番小さい身体でありながら最も精神的に強い、そう評価できる。
 どんな絶望的な状況であろうが諦めず、そのズバ抜けた知力で打破し、諦めない気高い少女。

 それはブレードチルドレンのメンバーで、浅月やアイズ、高町たちにでさえ、『戦いの中で甘える、頼る』ということはしないのだ。
 もちろん戦術的意味合いでは頼るが、一方的に縋る、ということはなかった。

 だが歩に対してだけは違った。

 彼女はひたすら歩を頼った。
 当初は清隆の言葉があったから歩を頼っていただけだが、彼女はその戦いの中で歩を自然と信頼していき、そして心から歩を頼った。

 それはある種の依存といってもいい。

 それが、喪われる。

「待っていて下さい、歩さん」

 病院の廊下を歩く。
 薬品の臭いが鼻を突き、騒がしい喧騒が理緒を揺さぶる。

 ―――絶対に訪れる、医学上から見ても致命的な臓器衰弱による死亡。

 自分にできることは、ない。

「ひよのさんがいない今・・・・・・私が傍にいます」

 ギリっと唇を噛んだ。
 歩の傍にいて、少なからず自分達も彼女に助けられた。
 だが。
 それは、裏切りであった。

「私は裏切らないっ」

 今度は負けない。
 理緒は、かつての歩の相棒―――結崎ひよの―――に対して激しく憤りながら、その小さな身体を必死に動かし、目的の地へと向かっていった。

「私は、信じます。貴方は死なないって。貴方に、救いはあると」

 自分は信じ続ける。
 遠い未来、自分の傍にどんな形であれ、歩がいると。 



続く。




短い・・・・・・。
だけど切りが良いのでここでストップを。
次回はライブ。そして編入です。
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ありむんの小話 * Com(5) * Tb(0) * page top↑ * [Edit]
Comment to this entry
   はじめまして
はじめましてfragmentといいます。
以前より小説を読もうの方でも読ませてもらっていました。
これからも応援させてもらいます。
是非頑張って下さい。
From: fragment * 2010/06/18 06:43 * URL [Edit] * page top↑
   感想
 感想お初ですきゅきゅきゅーと申します

 いやはやスパイラルもけいおんもどっちも好きなんでこの作品知った時はうれしかったですねぇww

 理緒ちゃんがどんな旋風を巻き起こしてくれるのか楽しみにしてますww
From: きゅきゅきゅー * 2010/06/19 13:33 * URL [Edit] * page top↑
   鮮血の刻印
初、感想です。

小説家になろう、というサイトで読ませて
いただいてました。

これからの展開がとても楽しみです。
歩の身体の展開、理緒との関わり
などなど、目が離せないです。

私も、けいおん!Fragmentという小説を
書いていますので、興味がありましたら、どうぞ。
From: ヴィレイサー * 2010/06/20 10:11 * URL [Edit] * page top↑
   大変面白かったです
別のサイトでも見させていただいていましたが、こちらに移動されということで見に来ました。

けいおんとのクロスですが非常に面白いです。歩に救いは訪れるのか、理緒が編入してきてどうなるか楽しみにして待っています。これからも頑張ってください。

スパイラルは全部読んだんですが、今思い返すとはっきり覚えているのはもうカノン・ヒルベルトが出てきた辺りまでなんですよねぇ。また読みなおそうかな。
From: ニッケル * 2010/07/09 10:19 * URL [Edit] * page top↑
   管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
From: * 2012/10/06 21:48 * [Edit] * page top↑
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